今日はユーザーに優しいゲームと、ユーザーに媚びたゲームは違うという話をしてみたいと思います。あんまり頭の中でまとまっているわけではないのですが、なんか最近この部分が気になってしまっております。
クリエイターが真に求められるもの
というのも、ちょっと前から「もっとユーザーに寄り添ったゲーム」とか「ユーザーの意見を取り入れて」みたいなワードをよく聞くと思うんですよ。で、実際そういうことをして大成功したゲームってあると思うんですけど、ちょっとこの考え方ってある意味危険やなと思ってまして。。
僕の考え方としては、クリエイターって相手が求めるものを提供する職業ではないと思ってまして。例えば何が食べたいですか?って聞いて、親子丼って答えたとして普通のおいしい親子丼を提供するのってクリエイターじゃないと思うんですね。普通の親子丼じゃない自分なりのテイスト・センスを混ぜたものを作って、相手の想像を超えた満足感を提供するものだと思うんですよ。
やっぱり評価されるのってそういうことじゃないですか。最近でたウーコンも、インディーズなのに凄い完成度!とか、アクションゲームの中でもめっちゃボス多い!!とかね。やっぱり相手の期待を超えて初めて評価されるはずなんです。なんとなく想像している「まあこれくらいだろうなー」をさらに超えてくる、もしくは斜め上のアレンジで驚かせる、ここがクリエイターの腕の見せ所だと思うんですよ。
アップル製品でもそうですよね。こういうのを求めていた!ではなく、なんかすごいもん出てきた!みたいな方がやっぱりワクワクしますよね。
ユーザーフレンドリーの罠
じゃあ、ユーザーの意見を取り入れるとどうなるんだ、という部分なんですけどやっぱりデメリットがありまして。。ユーザーは結構適当なんですよ。自分が求めているゲームってどういうものなのか、何に楽しさを見出しているのかって上手く言語化できないんですね。もちろん具体的なものもあるんですが、「コンフィグ機能充実させろ」「もっと敵弱くしろ」みたいなね。でも全体的な出来栄えとかコンセプトとかって、意見するのって難しいですよね。
あとはユーザーの意見を取り込んでいけばいくほど、誰向けのどんなゲームか分からないという現象に陥ります。結果としてこういうので良いんだよみたいな高評価を得られることもあるかと思いますが、まあ稀です。どんどんユーザーに媚びたゲームになっていきます。
個人的には難易度設定とかも要らないと思っています。あるとすればノーマルとハードだけで良いかなと思ったりしています。まあこれも僕個人の意見なので無視して全然いいですがw
優しいと媚びの違い
優しいと媚びの違いは、僕が思うに楽しんでもらおうとしているのか、嫌われないようにしているのかの違いですね。こういうコンセプトだと絶対喜んでもらえるぜ!とか、どうやったら楽しんでもらえるだろうかーということを想像しながらゲームって作らないといけないんですね。
逆に色んな要望とかダメ出しとかを聞きすぎると、それらを満たそうとして、もしくは逆にそういう地雷を踏まないように開発を進めてしまって結果生まれるゲームって微妙なんですよ。魂こもってないんですよ。コシの無いゲームになっちゃうんですよ。
代表例でいうとやっぱりフロムゲーですよね。さぬきうどんの7倍コシがありますから。中途半端な顎だと噛み切れないですから。あんなもん、ユーザーの意見いちいち聞いてたらあんなゲーム出来ないですからね、やっぱりゲームから出てますよ。「ほら、俺たちが思う最高に面白いゲームだ。ぜひ遊んでくれ。あえてちょっと難しくしてるけど、その分夢中になるぜ」みたいな、波動が漏れてます。これですよ。
でも結局そのスタンスが強すぎると独りよがりになっちゃうので、最終的にはバランスということになるんですが、出来る限り社内で調整してほしいですな。
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