今日はデスストランディングの映画化について語りたいと思います。先日のゲームアワードで発表されたODや、開発中のDS2も含めて、ちゃくちゃくとプロダクトを作成している日本が誇るクリエイターの小島秀夫監督ですが、デスストランディングが映画化されるという情報が舞い込んできました。本日はそのニュースに関連する思うところと、ゲーム版デスストランディングについてぶっちゃけどうでした?というお話をしたいと思います。
実写化否定派のゴリラもデスストの実写映画化は大賛成です
まず、ゴリラは基本的に実写映画化は反対派です。ゲームならゲームCGで映画を作る、アニメならアニメとして映画を作る、これでよいと思っています。これらに関しては実写が原作を超えたためしがないからです。
でもデスストの実写化は大賛成です。なぜならそもそものグラフィックが実写寄りだからです。もっと言えばストーリーもアクションも実写寄りですもんね。なので全く違和感なく映画化できると思います。ちなみにメタルギアソリッドは反対です。まずスネーク含めて各キャラクターの実写化が難しいのと、物語のスケールが大きいので映画という枠の中であの世界観を風呂敷に包みこむのは無理だと思っています。
その点、デスストはなんかうまく映画化できそうな気がしますね。原作と同じ設定であれば、ヴィジュアルや設定でのヒキも強いし、ヒューマンドラマを描きつつ、敵キャラとの戦い、絶滅への抵抗を描くことは可能だと思います。少なくとも主人公は超人的な動きをしないので、まったく違和感なく描けると思います。
A24とはどんな会社なのか少し調べたら「ミッドサマーが出てきた」
ただ、残念ながらどんなストーリーになるのかはさっぱりわからないですね。さすがに原作と同じストーリーにはしないと思うんですよね。と思ってたらコジマプロダクションでコメントが出ていたのでちょっとそのまま読みたいと思います。
「A24――およそ10年前に誕生した瞬間から、「A24でしかありえない」独自性と存在感を放っている稀有な存在。彼らが贈りとどけるものはどれも素晴らしく、ぼくは、ずっと注目し、共感していた。どこかコジマプロダクションにも通じる姿勢を感じていた。そんな彼らとDSの映画を創る。すでに世の中には「ゲームの映像化作品」は溢れている。しかし、ぼくら(A24とKJP)が創造するのは、ゲームを映画に置き換えた、ただのトランスレーションではない。ゲームのファンだけが満足するのではなく、映画ファンも唸るようなものになるはずだ。映画であることの意味に満ちた、映画にしかできない、誰もみたことのないDEATH STRANDINGの世界が生まれる。A24とのコラボは、映画業界だけではなく、ゲーム業界や“デジタルのエンタメ”の未来を大きく変えるだろう」
https://www.kojimaproductions.jp/ja/A24-announcement
どうやら小島監督はこのA24という会社をとても信頼しているようですが、お恥ずかしながらA24というのを全く知らなくて最初なんのこっちゃと思ったんですが、ちょっと出している作品について調べてみました。配給会社というポジションなので、スタジオとは違うんですかね。ちょっとそのあたり詳しくないので詳しい人がいたら教えてください。。
ほとんど知らなかったのですが、知っているものが二つありました。エクス・マキナとミッドサマーです。エクスマキナはAIロボットに人間の顔が張り付いている気持ち悪い映像を見たことがあるので知っていて、ミッドサマーは明るいホラー映画で大層気味が悪いということで知っています。というかミッドサマーはアマゾンプライムで見ました。マジで意味わからんくて、観たことを後悔しました。しんどかったです。
ほかのラインナップも観ていると結構クセの強い、尖った作品が多い印象ですね。好きな人は好きだし、最初から大衆受けを狙っていないみたいな苦みがおいしいと感じる人達に向けて作品を作っているような印象があります。
原作デスストランディングのストーリーも少し振り返りたい
そういえばデスストってどんなストーリーでしたっけ?というのも少し触れたいと思います。知らない方も、プレイ済だけと忘れてしまったという人も是非聞いていってください。一応ネタバレは無しです。
まず、主人公のサムポーターブリッジはモノを運ぶ配達人です。実はこの世界では原因不明のヤバい雨が降っているせいで街は荒廃していて、人々が各地に散らばって地下のシェルターで生活しているんですね。このヤバい雨は触れた物質の時間を早めてしまうので、建物とか乗り物がすぐに朽ちてしまう。なので店も出せない。車やバイクもすぐにダメになってしまう。というわけで地下に逃げ込んだ人々に対して食糧とか3Dプリンタの材料とかを届けるというのが主人公の(ゲームの)目的の一つです。
二つ目の目的が物資を届けるとともに、カイラル通信っていういわゆるインターネット回線みたいなのが断線してるのでそれをつなげること。そうしないとシェルターの住民が他の人とのコミュニケーション取ったり、3Dプリンターのデータもらったりできなくて困っちゃうんですね。
三つ目の目的が東海岸にいるアメリという昔の知り合いの女性を救い出すこと。これは詳細忘れちゃったんですが大陸の反対側にとらわれているので
4つ目の目的がデスストランディングを防ぐこと。デスストランディングを直訳すると「死の座礁」という意味ですが、これは概念的な意味でタイトルになっているわけでなく、明確にゲーム内でデスストランディングという現象があります。物語開始時点では明らかになっていませんが、終盤にこの現象の正体が明かされます。めっちゃヤバいことが起こります。そしてそれを防ぐために主人公のサムが頑張ります。
なのでサムはアメリカ大陸を基本的には徒歩で荷物を各地に届けながら、アメリカ大陸を横断してアメリを助けに行くという感じですね。でそんなサムにも敵がいます。ふたつ敵がいまして、ひとつはミュールでもうひとつがBTと呼ばれるものです。
ミュールは武装した盗賊みたいなやつです。人間です。この世界では物資が貴重なので、配達人であるサムを襲って荷物を奪ってきます。こいつらにてこずると荷物が痛んでしまっていい評価を得られないというペナルティが発生したりします。
対してBTは黒い化け物です。時間を進ませる雨が降っているときは一時的にあの世と半分つながってしまうみたいな設定がありまして、化け物もやってくると。でっかいイカっぽい化け物とかクジラみたいなのが出てきて、サムが襲われます。一応サムも武装しているので銃とか手りゅう弾で応戦します。
とまあこんな感じでデスストの世界をちょっと解説してみたんですが、どうでしょうか。結構変わってませんか。そもそもオープンワールドで荷物を運ぶだけという設定がすさまじいし、敵キャラもぶっ飛んでます。あの世からやってくる敵と戦うとかヤバいでしょう。しかもチュートリアル的に最初に運ぶものが遺体ですからね。マジでどうかしてるとしか思えないです。
でも引き込まれるんですよね。原作がとんでもないストーリーだっただけに、映画はどういう内容になるのだろうかと大変興味があります。いろんな考察やストーリー予想がされるでしょうが、そのどれでもないストーリーが待っていることは確かです。小島秀夫の頭の中身を我々が予想できるわけはありません。
デスストランディングはストレスを楽しむゲーム
次に、ぶっちゃけゲームとして面白かったのか?という禁断の話題について触れたいと思うのですが、ぶっちゃけ78点くらいの印象でした。まず、僕がオープンワールドがそこまで得意ではないということ、あとはボス戦がストレスだったのが結構印象に残っています。そもそも銃の扱いがなれていない状況でいきなり銃撃戦したり、手りゅう弾使わないといけなくなったりでマジか!マジか!!みたいな感じでボロボロになりながら戦った記憶があります。
あとはストーリーでいうと、難しいです。特にBTとかビーチとかカイラル通信とかのややこしい設定も含めて、人と人とのつながりっていう抽象的なテーマを取り扱っているので僕は追いつくのがやっとという感じでした。あとは、超常現象も結構起こるのでこの辺りは小島ワールドという感じでやっぱり好き嫌いは分かれるかなという感じです。率直な意見としては雰囲気は大好きだけど、もっと分かりやすい感じが好きだったなという感じですね。
ゲームとしては荷物を届けるために道具を駆使してただ景色を楽しみながら歩いていくという感じで、でも吹雪の中進んだりとか、高い山に向けて体力ギリギリで歩いたり、あとはミュールっていう山賊から逃げたりとかでいろいろ工夫しながら旅するという点では楽しめます。もうなんかいろいろギリギリで、目的地が見えた時に綺麗な音楽が流れだすんですよね。あの時のうわー!やっとたどり着いた!!っていう感覚は本当にこのゲームだけだと思います。
やっぱり小島監督の作品は、ユーザーのストレスとリラックスを操作するのが凄く上手ですよね。メタルギアでいうと敵から隠れながら進むっていうある種ストレスをうまくゲームに取り込んでいるし、このデスストについても重たい荷物をぐらぐらせずに運ばないといけないというストレスを面白さにつなげているのでそのあたりのゲームデザインは流石だなと思います。人間が何をもって心地よいと感じるかとかそういう根源的な喜び楽しみをうまく取り込めている気がします。少なくとも小島監督のクリエイター濃度が凝縮された作品なのでゲーム好きは一度プレイすることをお勧めします。
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